世の中のDVが減りますように。
人が困っているところを見て見ぬふりをする人がいなくなりますように。
その男女が去ったあと、私はただただ立ち尽くした。
そして安堵からか涙が溢れた。
警察官からはお礼を言われたが動揺は隠せない。
警察に住所、氏名、電話番号を聞かれた時、自分の住所すら思い出せないような状況でした。
住所言えなくて、そうしたら怪しい人に見られないかと怯え、引っ越したばかりだからとかいろいろ嘘をいってしまい、訳がわからなかったと思います。
(お巡りさんに嘘つくなんていけませんね。)
ずぶ濡れのカーディガンは本当に冷たく、濡れた服がいつまでも張り付くのは相当体力が奪われることもわかりました。
トレーニングしてるから平気、受け身で鍛えてるから平気って域じゃないこともわかりました。
そして気がついたんです。
私、下着が上下濡れていて。しかも白のズボンに青のタンクトップ。髪の毛はもちろんめちゃめちゃ。
初めて知りました。
警察官とは言え、大勢の男性にその姿を見られたときの屈辱感にも近い恥ずかしさがありました。
女性として傷付くことがこんなに簡単で深いことも。
よく女性警察官が下着ドロボウを「絶対に許さない!」といって追求するシーンもテレビでよくある光景ですか、たかが下着と思っていた、それを言葉でなく「感情」で体験してしまった。
去年、台風の中、男子レスラーとずぶ濡れで試合したじゃないか、ずぶ濡れを男性に見られるなんて大したことない。
そう思われても仕方ないし、そう自分自身が思っていました。
でも、実際は違った。
ここの感情はうまく言えないのが悔しい…
(別に私を囲った警察官がいやらしい行為をしたわけではないのであしからず。)
ちょっと想像してください。男性も。
泥水にまみれ下着まで濡れた姿を外で女性たちに見られるところを。
もうこの時点で精神的には限界だったのだろう。
「きみ、これから帰るの?この後の予定は?大丈夫?」
と言う言葉に
「お巡りさんに仕事を増やしてはいけない。立ち去ってほしいんじゃないか?いつまでも私に時間をさかせたらご迷惑になる。」
と思ってしまい、本当なら落ち着くまで待っていてほしいところ、私は大丈夫なふりをしてその場から立ち去ったのだ。
私はいつも気持ちを強くもって苦境も跳ね返すだけの心があればどうにでもなると思っていました。
実際下着ドロボウにあったことがあるけどそのときは「私のパンツ取るなんて悪趣味だなー」て笑っていた。
プレッシャーに負けるときの打開策は絶対的な勉強やトレーニングで能力をつければいいだけ。
能力があればなんとかなると思ってきたし、一生懸命頑張って生きてきたつもりだった。
そう、一生懸命に。
私浅はかだった。
一生懸命生きたつもりだったからこそ、あの出来事が決定的になったのかもしれない。
続く
私はこれからも一生懸命生きる。
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生きる希望を持つために~3~
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